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猫の肥満細胞腫 

猫の肥満細胞種も犬と同じ肥満細胞が腫瘍化したものですが、猫の肥満細胞腫は犬の場合と少し違った様相をみせます。猫の肥満細胞腫は皮膚の腫瘍の中では2番目に多いとされています。欧米では遺伝的素因によりシャム猫に発生が多い28ようですが、これは日本では定かではありません。発生部位では顔や頚に多いという特徴があります。また、猫では犬と比べ内臓(脾臓や腸管)に肥満細胞腫が発生する割合が多いということもわかっています5.27。猫の皮膚にできる肥満細胞腫は犬の場合と異なり、50%〜90%は高分化型で「良性」の挙動を示します。
猫の肥満細胞腫を治療する

猫の肥満細胞腫の治療の第一選択は外科的切除です。猫の肥満細胞種は頚や顔に発生が多いという特徴があります。このため多くの場合広く切除することは困難なのですが、幸い多くは「良性」挙動を示すので犬ほど広範囲な切除が重要にはなることは少ないといえます。また、犬と異なり猫の肥満細胞種では外科的切除以外と併用される効果的な補助療法はほとんど知られていません。(補助的ないくつかの抗がん剤治療の報告はありますが、生存期間の延長は得られていないようです5

猫の肥満細胞種の予後は…

猫の肥満細胞腫はふつう犬に用いられる組織学的グレード分類は用いません。先に述べたように多くは「良性」の挙動を示します。中には自然に小さくなるものもあります。しかし、「悪性」の挙動を示すものもあります。猫の肥満細胞種は犬のような予後に影響する因子は報告されていませんが、典型的に未分化なものは再発や転移を起こしやすく「悪性度」が高いようです。また、腸管に発生した肥満細胞種も診断時に転移がみられることが多く予後は不良です。

猫の肥満細胞種を見つける…

猫の肥満細胞種も犬と同様に多くの場合、細胞を採取して診察室で検査することで見つけることができます。しかし、猫の肥満細胞種の中には典型的な肥満細胞の形態を示さず診察室で細胞を検査することでは診断の困難なタイプが存在します。この場合は、組織を採取して病理検査を行う必要があります。(このタイプの肥満細胞種は比較的若齢の猫で発生することが多いということが分かっています5.7.26、また自然に退縮することもあります27.28)肥満細胞種は例外的ですが猫の皮膚にできる腫瘍は犬に比べ悪性の割合が多く、皮膚腫瘍全体としては犬が20%〜30%が悪性であるのに対し、猫では50%〜60%が悪性であると報告されています31.32.33.34。このことからも、やはり早期発見が重要だといえます。